MRIのキャスターで床が黒くなる
MRIを病院が導入し、設置場所へ搬入する際にキャスターの転がりが悪く、床に黒ずみを残してしまった。また数年に一度メンテナンスの搬出入を行う際にも、黒ずみが気になってしまう。
耐摩耗性・高反発弾性のウレタン(ポリエステル系)をキャスターとして採用することでフラットスポットがなくなった。年に数回の移動でもスムーズに動かすことができるとともに、ウレタンがあるため床に跡がつかなくなった。
MRIのキャスターという特殊な部品であるために小ロット生産を行った。
摩擦係数(μ)が変わってしまう。
コピー機の紙送りローラに一般の合成ゴムを使用していると、油分が蒸発することで摩擦係数(μ)が変化してしまい、一定の紙送りが実現できない。
ソマールゴム独自の製法である「独立気泡発泡成形」による発泡ウレタンを使用することにより、長期間使用してもμに変化がなく送り精度は落ちなくなった。通常発泡ウレタンは耐摩耗性が他のウレタンに比べ低いものであるが、ソマールウレタンは送り精度とともに耐摩耗性が低下しないローラを開発した。
回転テーブルの音がうるさい
回転テーブルは動的荷重のバランスが悪く、タイヤ部分に大きな負荷がかかるため一般的にはナイロン系の車輪が多く使用されています。
しかしナイロン系の車輪は非常に硬い素材のため「ガタゴト」という音が周辺に響き、騒音問題となっている。
高反発弾性のポリウレタンを採用することで荷重の大きな回転テーブルであっても音が静かになった。夜間であっても気兼ねなく回転テーブルを動かすことができるようになった。
高速ジェットコースターに耐えうる素材がない
140Kmのスピードと4G~6Gの重力がかかる高速ジェットコースターの車輪は通常のウレタンではどのように頑張っても蓄熱によって内部破壊を起こしてしまい、はく離もしくは表面硬度が低下し、糸引き状態になってしまう。
VULKOLLAN®の採用により、高速回転・高荷重負荷であっても耐えうるだけの耐荷重性、耐摩耗性、耐熱性の極めて高い車輪を開発。注型プレス成形で芯材への焼付けを実施。極めて安全性の高い車輪となった。
食品衛生と耐磨耗性を同時に満たしたい。
製粉工場で粉末を移送していると、移送中に固化してしまうため篩(ふるい)機が何台も必要となる。篩機内には網の目の上に「球」を 乗せ、目詰まりをしないようにしている。
この「球」として使用可能な素材は食品衛生法上「シリコン」と「ウレタン」であるが、シリコンでは耐磨耗性に問題があり、ウレタンではコストが見合わない。
ウレタンのコストが見合わないのは注型成形で製造するためである。耐摩耗性を有するウレタンを“射出(インジェクション)成形”で大量生産することにより、コスト削減を図った。
通常インジェクション成形では大きな球状の製品は製造できないが、ソマールゴムではΦ38mmという大型の球を製造することが可能な設備を保有している。